誠に勝手ではございますが、弊社夏季休業につきまして、下記のとおりお知らせ申し上げます。
8/11(日)~8/15(木)
こちらの日程でお休みさせて頂きます。
なお、休業中の緊急のご連絡は電話・メールにて承りますので、
何卒ご了承下さいますようお願い申し上げます。
Blog ブログ
2024.01.28
「共有地をつくる」 著 平川克巳(ミシマ社) は私有制の批判を書いた本ですが、現代のある意味急所を突いた素晴らしい著作だと思います。序盤には消費することや資本主義について書かれていますが、印象的なフレーズとして「不要なものが欲しくなるのは、必要なものの欠落ではなく、不要なものの過剰によるのだということ」と記されています。これはなかなか手厳しい。でも確かに飽和的になっている昨今で欠落しているものは少ないかもしれません。本の中では色々なケースを引き合いに楽しく読み進められますが、僕はこの現代的な問いを読んだ時に「循環」という言葉が頭に浮かびました。経済から独立した組織運営、と言えば聞こえは良いですが実際は経済を無視することは出来ません。でも建築よる本質的な回答は経済的とは反対の方向へ行くことがほとんどです。だからモノサシに「循環」を加えてみるとなかなか良い。過剰なのか欠落なのかは一旦置いておいて、ものに時間と更新という軸を加えると少なくとも判断の一助になり得ると思うのです。誰かに託すことが出来るか、孫に使ってもらえるか、長い時間に価値が減らないか、そもそも丈夫で強度はあるのか、直すに値するものなのか、などです。でもよくよく考えるとこういうやり方は実は経済的と言えます。その利益を享受するに時間がかかるだけです。クレジットカードのCMのように一瞬のプライスレスは得られても長い時間、しかも更新を伴うとなると話は別です。なかなか重いテーマだと思います。
-
Archive