Dotプロジェクトが始まって10年。
Q値1.0W/㎡K以下の基準で素足で暮らせるような住宅を岩手に増やそうという目的で設立されました。
北国の寒い暮らしをなんとかしたいという研究者や実務者など住宅に携わる方々が発足させたのが
当プロジェクト。
おそらく今年で30棟に達すると思います。
現在では1.0W/㎡Kと簡単に言われちゃいますが、当時は相当高いハードルでした。
今でもその価値はあまり変わっていないように思います。
一番の目的は省エネなんかじゃありません。
コストパフォーマンスでもありません。
快適の前にもっと基本的な、暑さや寒さから身を守るということを実践してきたように思います。
「住宅性能に偏っている」というご批判も当時はあったかもしれませんが、
著しく抜け落ちていた熱的分野を改善する地道な運動が北海道や東北ではありました。
格好の良いものではないです。
でも先人の知恵を学びながらこの分野は少しづつ成長してきました。
縄文時代も江戸時代も当時の技術者は住まいをよりよくする知恵を凝らしてきたと思います。
その地域の気候特性に適合するように改善を行ってきたわけですね。
その時代に合わせた発展の仕方があったと思います。
そして僕は地味だと思っていたこの技術の中に美しさがあることに気づきました。
その考えは様々な発見につながりましたね。
話を戻しますが、Dotプロジェクトの基準で10棟以上建てたビルダーや
設計者にはDotマイスター制度が設けられることに。
長年性能住宅を推進してこられた北上の日高見工務店さんが今回初マイスターに認定されました。
実直な千田社長のお人柄がにじみ出た住宅です。
コツコツと研鑽されることの大事さを改めて感じた瞬間でした。