あまり批判がましいことは書きたくないですが、最近のエコハウスについて大きな疑問があるのでまとめてみました。
雑誌などで良く目にするエコロジー建築や環境共生住宅など、自然界と共生した建築を試みる建築家がいます。
また、ハウスメーカーや一部ビルダーの提唱する発電設備バリバリのスマ―トハウス(どこがスマートだ)も層を増や
しているのも事実です。どちらも表面的には地球環境に優しいという謳い文句です。
スマートハウスはさておき、最近のエコロジー建築?と呼ばれるものには疑問が多いです。
森の中に真っ白いミュージアムを建ててみたり、今の時代に大した工夫のないガラス張りのビルだったり、景観を楽し
むという理由で蛇行している熱損失の多い家だったり。なぜ今の時代にこれか?と思ったりするわけです。
環境省による「21世紀環境共生型住宅」のモデル整備事業などは最たるものです。
http://www.env.go.jp/policy/ecohouse/index.html
東大の前准教授のセミナーなどにもありますが、関東以南地域でのプロジェクトではどちらかと言うと古来の技術を
踏襲した住宅が多く冬が寒そう。当たり前ですよね。大した断熱もしないで風通しだけを重視して設計しているわけです。
土壁の伝統工法や自然エネルギーの活用はすばらしいことだと思いますが、まさか次世代省エネルギー基準をクリアする
程度の熱性能の建物があることも驚きです。昔の技術はすばらしい面もたくさんありますが、それだけでは現代にマッチ
しないから変わってきているということを忘れてはなりません。
このプロジェクトが税金で、しかも普通じゃありえない金額で建設されているわけですがら皆がある程度納得する形にし
て欲しいものです。
その他の例として断熱をしない「省エネ建築」というおそろしい思想があることです。
2013年に青海で開催されたHOUSEVISIONでもあいまいな省エネが露呈していました(全部ではないと思いますが)
元北海道大学の荒谷登先生の著書には「強いエネルギーは地域性をなくす」と書いておられました。
つまり空調のような力づくの冷暖房が出来ると、例えまったく気候を無視した建築でもある程度住める空間となってし
まうということです。おそろしいほど光熱費かかるでしょうけど。
商業ビルや公共建築物はなんとかなっても、一般住宅の高い光熱費は老後になっても継続できるのか疑問です。
日本のエコ建築はどこへ行ってしまうのでしょうか。省エネをトレンドでやってはいけません。
もう30年以上前から地道な研究や挑戦をしていらっしゃる方々の意見も忘れてはいけません。
僕は人間本位の快適な空間を提供することに一票投じたいと思います。